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椿
菓子百花 菓子 玉島高校生 佐藤小波さん 器 岡山県立大学 池田あかりさんの作品
2021/07/11
広げよう応援の輪

「菓子百花 其の四」を拝見して  良寛椿の会 会員 早川正弘

今回は、作品№2「素心と真心」について、良寛さんの詩歌を紹介します。

ご存じのように、良寛さんは新潟県分水町の国上山中腹の五合庵に約20年、

山麓の乙子神社草庵に約10年、修業されました。

一つは「あしびきの 国上のやまを 人問わば 心に思へ 白雲のほか」です。

山中で過ごす私(良寛)のありさまを人が尋ねるなら、白雲がたなびく大空の

ようになにものにもとらわれない心境だと答えてください。二つ目は、

「山かげの 岩間を伝ふ 苔水の かすかに我は すみわたるかも」です。

山かげの岩間をかすかに流れる水のように、ひっそりと山かげにある庵に住み

続けることよ。自然の中の良寛さんの心は純粋な人間本来の心を詠っている様です。

この作品は、縁起の良い「八」で山を表し、仏教の二を超える中道という悟りの

概念を示す「三」を前面に表現しているようです。また、土台は山をしっかり支える

大地を想像します。いずれにしても、良寛さんのシンプルライフで山中の庵に住む

こと約30年の生き方は、まさに超人としか言いようがありません。

人間、肉体は衰えていきますが、どこまでも魂(精神)の向上を求めた象徴的存在が

良寛さんだと言われています。我々は良寛さんのような生活はできませんが、良寛さん

の心を学ぶことによって、魂の喜びを感じる生き方をしたいものです。