これ書?絵?誰の詩 ドイツ人書家 ウルズラ ヴェルナーさんの作品
2021/06/30
広げよう応援の輪
白の墨で月の字が 黒の墨で盗人と残の字が 読み取れます。そうです。有名な良寛様の俳句です。
盗人に 取り残されし 窓の月
良寛書の研究家 ドイツ ボン在住 ウルズラ ヴェルナーさんの作品 彼女は東洋美術(ケルン)で書道の講師をしております。
良寛さまは世界で愛されています。
その漢詩・和歌・俳句はさまざまな言語に翻訳されています。
良寛さまはなぜ愛されるのでしょうか?良寛さまの世界観が傷心の人々を柔らかく包む。
そこに救いを求める方が多いのでしょう。
面白いエピソードがあります。
1994年、フランスで「地下鉄内の詩」というイベントがありました。ホームの壁に詩を掲げ、列車を待つパリジャンに読んでもらいました。
投票の結果、一番に選ばれたのは、良寛さまの句
盗人に取り残されし窓の月
孤独と清貧、悟りに至る忍耐の中で鍛えられた良寛さまの言葉がパリジャンの心に響いたのでしょう。
いまも特にヨーロッパから、良寛さまに憧れて多くの人が日本へ修行に来られます。
良寛さまの慈悲の心は、世界に受け容れられる力をもっているに違いありません。