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椿
円通寺吟行№2   安福利平
2022/02/05
活動レポート

皇女書く扁額光る二月かな 安福 利平

 

暖かい早春の1日、玉島円通寺にお参りをした。是非とも見たい額がある。「本堂には、享保9年(1725)当時の住職良機に賜った宝鏡寺門跡景愛尼公(後西天皇の第一皇女)ご染筆の『円通寺』の額(寺号額)がかかっている」(聖良寛と玉島ー森脇正之著)この本を読んでこの額の事を知った。

 

 福寿草、満開に近い臥竜梅(推定樹齢200年超え)、良寛堂の前の古木に赤い椿一輪、覚樹庵跡の見事な紅梅、十分に楽しんで本堂へ。灯明ローソクと線香を供えて合掌。

その後、閉じられた格子戸からのぞいて懸命に額を探した。しかしながらなかなか見つからない。諦めかけていた時若い禅僧に出会った。「皇女の書いた額は何処にありますか?」と尋ねた。「あそこにありますよ」と格子戸の内側の真上を指差した。かがんでのぞくと一部が見えた。

「写真に撮りたいのですが」禅僧は快く本堂に案内してくれた。縦1m横70cm程の金縁の額に「圓通寺」の金文字。
三百年近い年月を経た今も美しく輝いている。力強く伸びやかな運筆、きらびやかな金の文字、金縁の額すべてがけんらん豪華である。しばらく見とれていた。

 

念願も叶い心も晴れ晴れとして白華山頂へ向かった。

 

山頂広場の中央に目新しい光景を見た。大岩(直径2m程の円形で表面が平ら)の周囲にロープが張られた横に「白華石」と刻んだ石柱がある。「本尊の星浦観音が来迎したと伝わる巨岩石。付近の山を白華山と呼ぶのはこの岩に由来する」と解説がある。今まで、何でもないと思っていた大岩が実はパワースポット。大岩がとても神々しく感じられた。

 

展望所から見下ろす海は光り「源平合戦水島の戦い」の古戦場が見える。

 空の色 木々のただずまい、春きざす円通寺から感動と活力を貰った。

         令和3年 2月