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椿
断想・良寛の庶民性  米子市 大原啓道
2025/03/02
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断想・良寛の庶民性

 

「一点香火の気なし」。良寛さんと親しかった解良栄重が、彼の率直な感想として残した言葉である。日常生活の中で、良寛と接した人の、正直な思いが吐露されている。

 

この言葉は、良寛さんは、「坊主臭くない」という意味だという。良寛と交流をもち、あるときは一献の盃を交わした人ならではの、正直な思いであろう。

 

良寛さんには、手鞠に、子供達と時を過ごしたり、凧揚げするからとせがまれ、あの「天上大風」などの字を、書いてやったなど、諸々のエピソード等が、伝えられている。泥棒に入られ、一枚しか無い布団を、わざと寝返りをして、泥棒にくれてやったなどの、少し、信じ難いエピソードすらある。

 

一方、大人の人達との交わりの中でも、良寛が接する態度は、いつも何ら変わりなかった事を、先きの言葉は、語っている。

 

こういう良寛の親しみやすい庶民性や、人柄は、思想とは違った形で、日常生活には、現れていたと思える。