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椿
良寛椿の会第3回植樹祭に参加  米子市 大原啓道
2025/07/12
広げよう応援の輪

▼結婚五十周年の記念植樹

 

倉敷市・玉島に、「良寛椿の会」がある。玉島に在住の有志の方々が集り、玉島の町おこしの「キーワード」に、「良寛」をすえられ、諸々のイベント活動をしている。また、全国に公募して、短歌や俳句の募集を毎年実施されている。三年前からは、良寛の好きだった椿を、「良寛椿」と命名され、白椿の苗木を、植樹する運動も催されている。

 

今年で第三回になるその植樹祭に、私も参加しようと思い立った。私達の結婚生活が、昨年、十二月二十日で、五十周年と成ったのが、その理由だった。

 

思い立ったが吉日、さっそく、この会の代表をしていらっしゃる、安藤瑞子さんに、その旨をメールした。彼女から、参加が嬉しいこと、また、銘版に載せる一句を書いて下さいとの返信メールがきた。私は、二年前の三月に、夫婦で行った、玉島・円通寺の春の風景を思い出しながら、一句を作った。

 

 春日さす 良寛椿に 添う二人

 

これを安藤さんに送った。やがて、彼女から、記念植樹の日程の詳細と、銘版に載せる、文字等を書いた封書が届いた。四月二十日、十時から、円通寺の、下の土地で植樹祭とあった。

 

安藤さんと知り合いになったのは、第二回の、短歌公募に応募した、私の短歌が、第二席に入選したのがきっかけだった。良寛が、雪の降る夜を歌った詩「草庵雪夜作」を、壁に掛けて、毎日見ていることを書いたものだった。

 

 良寛の 言の葉沁みる 歳と成り 日々に見つめる 草庵雪夜

 

玉島と米子は、かなりの距離がある。倉敷駅前のホテルに前泊して、当日の朝に、玉島バイパスを運転して会場へ向かった。

 

この日、会場に着き、車を降りると、すぐ、安藤さんが、私達のところへ近づいて来られ、初めて、対面しての挨拶を交わした。そのあと、テントに案内を受けて、植樹場所を決める、抽選の小竹を引いた。私が一本取ると、その端に、一番と記してあった。

 

テントでは、会員の皆さんが、諸々の準備をされていた。みなさん、良寛の心をうけつぐような、気持ち溢れる笑顔で、参加者を迎えられていた。

 

開始式の時には、若い高校生の人達も、今後は、「良寛椿の会」に協力をして行かれる等の発表もあった。とても良いことと思った。

 

式の後、いよいよ、植樹となった。役員の方に、植樹する土地に案内され、苗木の植え方を指導された後、私達は、指定された場所に向かった。

 

そこでは、花好きの妻の洋子が、小スコップで手際よく土を掘り、苗木を植えた。そのとき、私達のすぐ下の、二番を引かれた女性の方が、近づいて来られ、わが家の銘版を見られた。「素敵ですね!」と、いって、「インスタグラムに載せていいですか」と、問われた。私が、どうぞと言うと、その写真を撮られた。

 

そして、「ここは坂ですから、水を受けるように、苗木の下の方の土を、少し盛り上げられたらいいですよ」と教えてくれた。下で、やっておられるお父さんが、この道の専門家らしかった。洋子は、「ありがとうございます」と、お礼を云い、苗木の下の方に、低い土壁を作った。

 

植樹の後は、昼食が準備してあった。何から何まで、行き届いたもてなしだった。私達は、イスに腰をおろし、お茶をいただき、二人の記念写真を高校生の女生徒さんに頼み、撮ってもらった。その後、会の皆さんに、別れの挨拶をし、また車上の二人となった。

 

椿は、これからは、会の方が管理をし、五年位すると、花がつくという。楽しみにしているところである。

 

(2025年4月25日)