円通寺吟行 № 6
2022/08/08
広げよう応援の輪
円通寺吟行 №6
願に痩せる身替り地蔵油照
地蔵盆が近づいた8月初めの酷暑の日、円通寺に参拝した。山門脇に仁王立ちする
銀杏青葉の木陰を通り弁天池へ。池の向い側の遅咲きの額の花を眺めていると、
2匹の錦鯉が目の前に姿を現した。紅に金色が混じる大きな鯉が迎えてくれた。
こんな光景は初めてで感動した。石段を上り蓮池の左側の少し入ったところに、
祀られている身替り地蔵を参拝。持参した百日草をお供えした。身丈70センチ程
の石仏で災難、厄除の身替地蔵の立て札がある。「身替り地蔵」とは人々の苦しみ
を引き受ける役割をしてくれるお地蔵さん。長い年月風雨にさらされて、頬や体の
あちこちが欠け落ちている。それはあたかも沢山の願いを聞いてやせこけたように
思えた。おりしも油照りでより一層憔悴したように見えた。揚げ句はこの時に詠ん
だもの。そして本堂の星浦観音を拝んだ。この日はワークショップが座禅堂(白雲
関)で開かれており、初めて座禅堂の中を見せてもらった。蝉しぐれと緑陰の
円通寺を堪能した。
令和4年8月 安福利平