円通寺吟行 №.9 最終回
2023/01/24
広げよう応援の輪
でんと座す火消し金仏寒晴るる
令和5年8月18日、初観音(今年最初の観世音菩薩の縁日)の円通寺に
参拝した。円通寺の本尊は星浦観音と聞いている。本堂で灯明ローソクに灯りを
つけて、線香を供え、家内安全と孫の学力向上を祈願した。まだ淑気が感じられる
境内をゆっくりと散策した。万両や千両、寒椿を楽しむ。本堂から蓮池の方に
下っていくと、右前方の小高い場所の大岩の上に青銅の露座地蔵菩薩(倉敷市の
重要文化財)がでんと座して、境内を見守っているかのように見えた。
この露座仏には「火消し和尚」とあがめられる伝説がある。「江戸時代の江戸の
大火の時に、円通寺の金仏が大活躍をした伝説。大火があった夜、この金仏様が
湯気を立て焼けたようになった。後に江戸からお礼の使者が来て江戸の火事の
ためだったと知れ、『火消し和尚』と呼びあがめられた」
(渡辺義明著・ 玉島むかし物語より)
揚句はこの金仏を詠んだもの。最後に境内の南側に出来たばかりの大パロラマの
展望台(玉島円通寺 鐘の鳴る丘展望台)に初めて立った。街並みや港や水島灘を
一望し、「希望の鐘」を鳴らして清々しい気持ちになった。
令和5年1月 安福利平