イベント情報
椿
入選者発表 第4回良寛椿杯全国短歌俳句
日 時
令和7年2月23日   表 彰 式:令和7年2月23日 13時30分~15時30分
場 所
倉敷市玉島市民交流センター 第2会議室
内 容
第4回良寛椿杯 短歌の部総評
龍短歌会  大森智子 先生
 今回で第四回目となる「良寛椿の会」主催の良寛椿杯短歌募集に、一般の部に95作品、ジュニアの部には、563作品が集まりました。今回は一般の部が半減し、とても残念に思っています。それでも北海道から九州までの作品が集まった事を喜びとしています。しかも浮足立たず、良寛様や良寛椿を思い丁寧に作られた歌が多くて、じっくり選歌出来ました。今後も県外からネットを使って、多くの方が作品を寄せられるのを期待しています。
 ジュニアの部はかなり学校が限られているのが残念ですが、初めて投稿してこられた学校も多々見受けられ、作品としても完成度が高くそれはうれしいことでした。やはりジュニアの部の短歌形式にとらわれず、年齢相応に思った事を素直に表現してあるのが、若者らしくてとても良いなと思いました。短歌としてはまだ未熟かもしれませんが、未熟さを超えて溌剌と輝いています。大きな可能性を秘めているのです。こんなに多くの若者が良寛様を身近に感じて作歌するって、素晴らしいですね。どうか一回限りでなく、これからも短歌を作り続けて、また投稿して欲しいものと、願ってやみません。

ジュニアの部
 第1席  菅野 大冴    作陽学園高等学校
雪解けて椿の花は咲き初める深紅の命命冬を超えたり

 第2席  横道 玄     山口大学教育学部附属光中学校
手毬つくリズムで食べるしのうどん江戸へいつでもタイムスリップ
      富松 侑生    倉敷市立緑丘小学校
白つばきこどもとあそぶりょうかんさん夕日をせなかに笑っているよ

 第3席   末廣 陽奈    岡山県立玉島岡山朝日高等学校  
昼過ぎの川面に色のあるといふ玉島に春わたしの恋句
       茂木 朔愉    宮城県岩沼市立岩沼中学校
桜道立ちこぎしながら駆け抜けるこの時間ならまだ間に合うぞ
      大森 涼雅    岡山市立高島中学校
通り雨降られてできた水たまり小さな虹がちらりと見えた
  
  特別賞  西村 光稀    玉島商業高等学校
冬の朝みんなで行った円通寺冷えた手こすり落ち葉を拾う
       藤本 恵海    玉島商業高等学校
座禅組み鳥の囀り虫の声そよ風の音どこか温か
       山西 陽久    作陽学園高等学校
炎天下友達とまわる夏祭りラムネに残るビー玉のおと
       岡部 楓璃    作陽学園高等学校
夏の夜の空に消えてく火の花を見る君をみて心ときめく
       鈴木宏志朗    朝日塾中等教育学校
木を植えようみんなで植えて地球にやさしく人にもやさしくみんなですっきり

一般の部
  第1席    原 比呂子     大分県国東市
良寛の椿の森に夢を追い植樹に励む人々の声

  第2席   安福 利平     岡山県倉敷市
円通寺縁起伝ふる白樺石ひらりさらりと花散りかかる
        石井  彩音     茨城県かすみがうら市
行く春に逝く人来る人送る人椿は落ちて次の春待つ

  第3席   玉井 秀男     福岡県福岡市
宵祭り椿の柄の浴衣着た君を目で追う提灯の陰
        綱島 麗子     岡山県倉敷市
ひそやかにふじばかま咲く初秋の庭ああすばらしい生きることって
        志村 紀昭     愛知県名古屋市
一斉に鶴の飛び立つ大空を思い描いて千羽鶴折る

第4回 良寛杯 俳句総評
 「銀化」 柴田 奈美 先生
選に悩みました。
格調の高い作品、力強い作品、おおらかな作風の作品、諧謔味のある作品など、
多様な作品群はどれも良寛椿の賞にふさわしいものばかりでした。
ジュニアの部は406句の投句でした。ほとんどが県内の生徒さんからの投句でした。
岡山の地で、良寛椿の俳句大会の知名度が上がっていっているようで、喜ばしいことだと思います。
一部ですが、学校を上げて句作と投句に挑まれておられることがうかがわれました。指導者の先生方に敬意を表したいいと思います。
ジュニアの頃に短詩型の創作に興味を持たせるには、やはり教員や保護者など、大人の力が必要です。
今後も引き続き、創作の楽しみを生徒さんに教えて差しあげてください。
多くのの中から選ばれ、入賞された作品をどうぞ味読してください。

俳句の部
ジュニアの部
  第1席    坂本 孝仁     徳島県美馬市立江原南小学校
夕立に濡れた身体に西日かな

  第2席    平野 直太郎     岡山県立岡山朝日高等学校
缶蹴りの二人となりぬ赤蜻蛉
         東 実弥       岡山県立岡山朝日高等学校
掛布団猫の形のへこみかな 

  第3席    井上 真弥      作陽学園高等学校
落ちてより艶めく椿ありにけり
         中島 乃々      作陽学園高等学校
大量の汗身体の中から沸騰中
          橋本 空奏      作陽学園高等学校
夏の午後汗が滴る柔道着

  特別賞    原田 康輝
夕焼けで光り輝く円通寺
        今本 隆之介     作陽学園高等学校
忘れないブランコから見た青空を
        川本 さくら      作陽学園高等学校
慣れぬ下駄君の背を追う夏祭り
        片口 恵花       作陽学園高等学校
部活中みんなの汗が青春だ
        神出 凌太朗      作陽学園高等学校
ボール探し茂みの中の沙羅の花

一般の部
  第1席    吉川 早苗       岡山県倉敷市
百年を生ききし手をもて障子貼る
       
  第2席    佐伯 恵美       岡山県 岡山市
母恋し独りごちたる手まり唄
        貝畑 信行      岡山県岡山市
天上の大風つかむいかのぼり

  第3席   小林 寛久        三重県桑名市
良寛の陽だまり広げゆく椿
        赤木 藍       岡山県総社市
潮の香を残す子どもの午睡かな
        白髪 節子     岡山県倉敷市
こんもりと千年があり椿あり

 以上、入選者の方々です。
 寒い朝でしたが晴天に恵まれ、出席予定の方々は全員参加してくださいました。来賓の祝辞、表彰と、滞りなく式が進行し、選者の先生方から総評を頂きました。今回から入選者を代表して、ジュニアの部、一般の部それぞれ2名ずつ謝辞を述べていただきました。高校生は、それぞれ短歌や俳句に向けた強く深い想いを語り、一般の方々からは、格調高く、また、心に染み入るようなお話をして頂きました。

また、来年! 第5回良寛椿杯に向けて取り組みたいと会員一同、新たな気持ちになりました。

ありがとうございました。