もう少し玉島のこと知りたいな、お伝えしたいな。そんなページが「もっと玉島」です。第1回は、柚木家(ゆのきけ)の3人の芸術家をご紹介します。
柚木久太《春潮(玉島港)》1917年、岡山県立玉島高等学校蔵
ご存知のように玉島の豊かな風土は、文人趣味*を育んだ地として知られていますが、中でも三代にわたり画業を継ぎ、流麗な水墨画を描いた柚木玉邨(ぎょくそん)(1865-1943)、その息子で、清涼な風景画を得意とした柚木久太(ひさた)(1885-1970)、そして、久太の長男で、人物のいる幻想的な風景画を残した柚木祥吉郎(しょうきちろう)(1919-2005)の画業は、玉島湊の町や円通寺の景色、国の登録有形文化財となっている柚木邸など、今はみることができない風景世界や時代の移り変りをそれぞれの作風を通して感じることができる、貴重な作品になっています。
幕末の詩書に通じる流麗な水墨画から、油絵まで、時代の培ったエスプリは通常は目にすることができないものです。玉島湊を絵画を通して感じることができれば、玉島の違った側面を知るいい機会になるのではないでしょうか。
【展覧会】柚木玉邨・久太・祥吉郎―柚木家三代の絵画と精神(エスプリ)
【会場】岡山県立美術館
【会期】2021年5月21日(金)~6月27日(日)
*新型コロナウイルス感染症拡大防止のための臨時休館に伴い会期変更中のため来館の際はご確認ください。
*文人趣味(ぶんじんしゅみ):茶の湯文化や中国の絵画や漢詩、煎茶などを嗜む文化