私は 玉島円通寺の麓で 生まれ育ちました。子供の頃 学校の休日には 友達と円通寺へ登って遊びました。春のお花見や お釈迦様の甘茶の会など 多くの人が訪れて賑わっていました。白華山に大きな岩があって 良寛さんの歌碑があって その岩を飛び越えて遊んだ思い出があります。そこから玉島の港が眺められ 素晴らしい光景だったと記憶しています。随分前に平成4年発行森分正之書「玉島円通寺の良寛さん」の本をもとめました。また昨年は 器楽堂ゆう子さんの本を 中国新聞で知り購入しました。
中国新聞の「わがまちの宝」という特集に私の「良寛ゆかりの円通寺」が掲載されました。一読くだされば幸いと思います。遠く離れた円通寺を懐かしく思います。
わがまちの宝
良寛ゆかりの円通寺
主婦 岡田智恵子 80歳
倉敷市玉島には 江戸時代の有名な和尚さんである良寛さんが、若い頃修行した円通寺がある。その麓の村が私の古里だ。子供の頃、寺へ登ってはセミやトンボを追って山を遊び場に駆け回った。
桜が咲く時季には花見でにぎわった。折り詰め弁当を広げ、大人たちがお酒に酔いながら楽しく踊っているのが面白く、見とれていた。
4月8日のお釈迦様の誕生日は、大勢甘茶の会へ訪れた。きれいな着物姿で、子供心に大人になったら着てみたいと思った。石庭の中の池に咲くアヤメの花に手を伸ばしたら、住職に見つかり慌てて逃げたこともある。
山の中腹には銅の立派なお地蔵さんがあり、そばで白い花を咲かせるツバキは「良寛椿」と言われる。恐らく良寛さんも、瀬戸の海を眺めながら故郷である今の新潟県の越後に思いを巡らせたであろう。子どもたちと手まりをついて遊んだといわれる良寛さん。思い出多い円通寺は私の心の宝です。