良寛と竹
良寛さんには、いろいろの逸話が残っている。有名なものでは、
私は、「筍」の話が好きである。
日々、一人で暮らしていた五合庵の、厠(かわや、つまり、
良寛は、「竹」が大好きでもあった。こんな漢詩がある。
宅邊有苦竹 冷々數千干
箏迸全遮道 梢高斜拂天
經霜陪精神 隔烟轉幽間
宜在松柏列 那比桃李妍
竿直節彌高 心虚根愈堅
愛汝貞清質 千秋希莫遷
宅辺に苦竹有り 冷々として数千千。
箏は迸って全て路を遮り 棺は高く斜に天を払う。
霜を経て精神を陪い 烟を隔てて転幽間。
宜しく松柏の列に在るべし 那ぞ桃李の妍に比せん。
竿直にして節いよいよ高く 心虚にして節いよいよ堅し。
愛す汝が貞清の質 千秋希わくは遷す莫れ。
最後の二行、「愛汝貞清質 千秋希莫遷」の訳は、「わしは竹の貞堅、
晩年、托鉢の帰り道、子供達と手まりを突き、或は、
ただ、その一方、何物にも動ぜず、一徹に一筋の道を貫く精神。
良寛が、竹を好むといい、竹に托した想いもまた、